企業 NPO・まちづくり団体 行政にとっての 市民協働イノベーションエコシステム
Question津田さん

~京都信用金庫 QUESTION・津田 郁太さん

京都市 総合企画局総合政策室 SDGs・市民協働推進担当とSlow Innovation株式会社は、市民協働イノベーションエコシステムの構築・活用をめざした連携協定を結び、「市民協働イノベーションエコシステム調査」のプロジェクトを推進している。「持続可能なまちづくりを支える生態系(エコシステム)って何なんだろう?」「どうしたら、地域の未来をつくるイノベーションが次々と生まれてくるのだろう?」という問いのもと、京都を中心に市民協働やイノベーションに取り組んでいるさまざまな組織・人財にインタビューを行なっています。

今回は、2020年11月にオープンしたばかりの「京都信用金庫 QUESTION」副館長の津田 郁太さんにお話を伺いました。

話し手: 津田 郁太(Ikuta Tsuda)
1981年京都市生まれ。幼少期は兵庫県で育ち、大学で大阪に住み、就職で京都に辿りつき、現在は京都に住むという一人三都物語実践中。2児の父。大学時代に1年間沖縄県で放浪生活をして、現実の世界に戻りなぜか地域金融機関に就職。入社後は営業店を3店舗、京都府外郭団体への出向を経て、本部にて創業支援業務、海外販路支援業務(東南アジア・インド担当)をした後、新拠点開業プロジェクトを担当。近畿経済産業局2018年度「中小企業の頼りになる支援人材」に掲載され、WAOJE(World Association of Overseas Japanese Entrepreneurs)京都支部事務局長、京都府地域クラウド交流会オーガナイザーなども経験。
聞き手: 野村恭彦(Nomura Takahiko)|Slow Innovation株式会社 代表取締役
金沢工業大学(K.I.T.虎ノ門大学院)イノベーションマネジメント研究科 教授。博士(工学)。「渋谷をつなげる30人」を主宰し、5年目を迎える。昨年より京都拠点を立ち上げ、「京都をつなげる30人」は2年目の開催。企業・行政・NPOのクロスセクターでの「信頼のつながり」をつくり、「地域から社会を変える」イノベーションエコシステムの構築をめざして活動している。

今回は、京都信用金庫(以下京信)さんに11月から新しくオープンする河原町の施設、QUESTIONについてのインタビュー。市民協働エコシステムの観点から、QUESTIONという多様な人の集まる施設の面白さやこれからの地域協働、銀行の新たな形についてお伺いしました。

QUESTIONとは

野村: 最初にQUESTIONのご紹介をお願いします。

津田さん: 概観からお話ししますね。

QUESTIONは地上8階地下1階で全て京都信用金庫所有の建物です。

特徴として、ツナグムさん、グローカル人材開発センターさん、クロステックマネジメントさんの3社と共同で運営をしていきます。

営業日は、平日と土曜日で、日曜祝日はおやすみです。営業時間は、朝9時〜22時で、1階と8階は食べ物を提供しているので9〜25時です。

1Fは一般の方誰でも利用可能で、2~4Fは目的を持つ企業や起業家の方、5Fには学生が企業さんとつながるためにいて、6Fはファイナンスの相談ができる銀行、そこから上には食で繋がれる場所があります。なので、イベントなどで無理に集まらなくても日常的にいろんな人がいる。日常として複層的に集まれる空間です。

そこから、様々な人が問いを持ち寄る場が生まれていけばと思っています。この場所が河原町の交差点として通り過ぎる場ではなく、そこで繋がって、共創が生まれて、地域の課題が解決していく入り口となれるのではないかと考えています。

野村: 本当に理想的な新しいものを生み出す場ですね。多様な人たちが集まる場っていうのが難しい。研究所を作っても大人だけ、大学は教授と学生だけ。QUESTIONは本当に人の交わる場所になっていますね。

金融のど真ん中以外の部分に挑戦するという意思決定

野村: 京都信用金庫さんでは、どのような成功体験がこのQuestionという場を作ることを可能にしたんですか?

津田さん: 最初は、普通に河原町に支店を出そうという計画が2年くらい前にあったんですね。3階までが支店になっていて、それより上は賃貸として貸し出そうという形です。そこから方針変更の意思決定がありまして、それは成功体験から意思決定ではなく、挑戦をしようと言う意思決定でした。

背景としてはここ10年前くらいから、地域金融機関は厳しくなっていく中でお客様の本業の部分により関わったり、まちづくりに関わったりという金融のど真ん中以外の部分をいかに手厚くしていくかが、重要になっていくだろうという流れがあり予測がありました。

その予測を信じて、金融のど真ん中以外の部分を攻めようとこの場所を作りました。これは金融機関としてはかなりリスキーな意思決定でした。

野村: このビルのなかで、どういったものが生まれたらいいのかどういったイメージをお持ちですか?

津田さん: あそこにいけばいろんな人が自分を助けてくれる、そういう場になって欲しいと思います。

地域のなかで頑張ってる人を支援している人はいっぱいいると思います。ただ現状としては支援の道は、お客さんが一人いたら支援機関が一つというように道が一本になっていると思うんですね。

一対一の関係はもったいなくて、周りの人たちが繋がっていくことが効果が高くなると思います。行政と金融機関が一つの企業を支援して、さらに周りの企業や団体ともつなげていく。QUESTIONに行くとそういうことが自然とできるような場所になればと思います。

野村: 結局その人を中心に360°サポートするのが一番いい。そういうことを一社だけではできない今、QUESITONのようなコミュニティベースエコノミーを産んでいくということにすごく可能性を感じました。

これからエコシステムとしてどう広がっていくのか

野村: 今、クエスチョンの中で作っているエコシステムと、その外側にある京都全体のエコシステムがあるとすれば、どんなコラボが起きて広がっていけばいいと思いますか? それでは、このクエスチョンのエコシステムが京都に対してこれからどう広がっていけばいいと思いますか?

津田さん: 僕が思うさらに長期的な絵姿は、クエスチョンみたいな場所が、我々の支店が、地域の中のそういう場所になっていく。また、うまくいく形かはわからないけれど、この取り組みがうまくいけば、もっとそれぞれの地域に落とし込んで行ったらいい。宇治なら宇治の行政と、ここのようなセンターがあり、地域の人たちがより近い距離で協力し合う。そのために、最初の段階でクエスチョンでまさに起こっていることを遠くの企業さんや行政の方にまで体感してもらうことが大切。

野村: 金融機関のビジネスモデルも変わっていくのでしょうかね。銀行と企業の関係は口座を開いて融資を受ける関係性になりやすいですが、もしかすると、地域の中で総合的なサービスを受けるクライアントになっていけば、お金のやりとりの仕方も変わる。

津田さん: そうですね!本当そう思います。

野村: QUESTIONの中で、どういった人がターゲットユーザーになるのか、どういう人がサービスとしてレバレッジかかるのか、それを検証するために、サービス会費を払う企業50社とかを選んでみて、新たなビジネスモデルを検証してみても面白いですね。

津田さん: あー、面白いですね。

野村: SDGsをどこからやったらいいかわからない企業さんは多いですが、そんな企業さんがQUESTIONでSDGsを学んで、そこでそのままSDGs融資につなげる、そこから京都市のSDGs推進につなげていくことができると面白いですね。

津田さん: いいですねぇ、やりましょう!

野村: QUESTIONは「場所」に見えると思いますが、ここが金融機関のビジネスモデルを変えていく「変革の中心」なのですね。コミュニティベースドエコノミーの先駆けになっていく実証実験ができると、京信さんが新しいQUESTIONをどんどん建てていく道筋が見えるようでワクワクしました。ありがとうございました。

津田: 最高ですね、それ! ありがとうございました。

京都信用金庫QUESTION

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